「今が良ければそれでいいと思う」
この言葉を聞くと、一瞬、ありとキリギリスの話を頭に浮かべる方もいるかも知れな い。自分もそうであった。ありは将来に備えて苦しいことでも我慢我慢。キリギリ スは、毎日楽しく過ごしていた。秋がきて、冬になった時どうなったか。ありは、 今までの蓄えでゆったりと過ごし、キリギリスは寒さに凍えて、雪の中に埋もれて いった。
自分が子供の頃、絵本で読んだこの物語はハッピーエンドではなかった。この話は、 将来のために一生懸命努力するんだよということをいいたかったのか。だから、将 来のために今日の楽しみを捨てて生きるありが生き残り、今日を楽しんで生きていた キリギリスが死に絶えるという結末を用意したのか。
自分は、将来のために今を捨てる必要はないと思う。
今が良ければそれでいいと考える以上、その考えを今日、明日、明後日・・・と実 行すれば将来の日々にわたっていい日が訪れるわけだ。いや、訪れさせるのだろ う。
今が良ければというのは、遊んでばっかりでもいいよという考えとは、一線を画してい ることは明らかだ。今が良い状態というのは、人によって様々だろう。
自分は、大学生活には、今を良くするチャンスを求めてきた。実際、クラスメイトにい い刺激を受けたり、勉強もそこそこやっている。さらに、今を良くするチャンスとし て、この麗沢会海外派遣団員に応募した訳である。